人に聞きづらいことがわかる！子どもの仮性包茎の知識

包茎はペニスの先端にある包皮口が狭いため、包皮を剥いても亀頭を完全には露出できない状態のことです。ペニスの皮膚は外板と呼ばれる部分と先端で内側に折り返している内板と呼ばれる部分で構成されており、子どもの頃は折り返し部分が狭くなっています。

全く包皮を剥くことができない状態が真性包茎で、剥くことは可能でも普段は亀頭が皮に覆われている状態が仮性包茎です。生まれたばかりの男の赤ちゃんは包茎であるのが正常な状態で、亀頭部分全体が包皮で覆われていない場合には尿道下裂など先天性異常の可能性があります。子どもが仮性包茎なのは正常な状態なので、大人の場合と違って過度に心配しなくても大丈夫です。

子どもが仮性包茎でも過度に不安になる必要はありません

生まれたばかりの男の赤ちゃんは仮性包茎の状態で、包皮と亀頭表面が完全に分離しない状態になっています。皮が剥けない状態が続く期間は子どもによって様々ですが、14歳から15歳頃の生殖器が急激に成長する思春期までには自分の手で剥ける状態になっているのが通常です。思春期の頃までに自分の手で皮が剥けるようになっているのが一般的なケースであり、幼い子どもの包皮が剥けなかったとしても直ちに手術が必要なわけではありません。

仮性包茎は大人も子どもも基本的に手術が必要なわけではありませんが、亀頭が包皮に覆われていることで問題が生じる場合には適切に対処する必要があります。包皮口が狭いと排尿時にペニスの先端が風船上に膨らみ、おしっこが飛び散ってトイレを汚してしまうというケースが見られます。ただし尿の出が悪くなって健康を害するというわけではないので過度の心配は不要です。

3歳前後から多くの子どもはペニスの先端が炎症して赤く腫れる経験をしますが、抗菌薬の内服したり塗り薬を使えば短期間で治すことができます。症状が軽いものであれば温浴だけでも改善できるので、何度も発症するようでなければ手術は不要です。

子どもに包茎手術を受けさせるケースも増えています

子どものペニスを観察すると包皮の下に黄色い脂肪の塊のようなものが透けて見えることがありますが、これは皮膚表面の新陳代謝によって発生した垢です。この垢は一般的に恥垢と呼ばれ包皮と亀頭表面を自然に分離させる役割を果たしており、通常であれば細菌などは付いていないので安全です。恥垢は成長とともに包皮が剥けてくると自然に排出されるため、特別な処置をしなくても問題ありません。

アメリカの研究報告によると生後すぐに環状切除術によって亀頭を露出させた男の子は、手術を受けていない男の子よりも乳幼児期における尿路感染の頻度が低いとされています。尿路感染はおしっこに細菌が入って腎臓や膀胱で炎症を起こす病気で、環状切除術を受けると特に6か月以下の乳幼児期に発症率が低くなるとされます。しかし尿路感染は衛生環境の影響を大きく受けるだけでなく、1歳以上の男の子は発症率が極めて低いため過度に心配しなくても大丈夫です。

子どもは仮性包茎の状態が普通ですが、亀頭が包皮に覆われていることで日常生活に何らかの支障が出る場合には病院で医師に相談するとよいでしょう。医学的には子どもの仮性包茎を過度に心配する必要はないものの、両親が成長してからのことを考えて早いうちに手術を受けさせるケースも増えています。

早めに手術を受ければ安心です

仮性包茎の場合には基本的に手術を受けなくても大丈夫ですが、大人になってから困ることがないように子どものうちに手術を受けてしまうケースが多く見られます。大人になっても包皮が亀頭を覆っている状態だと、内部で汚れや垢が溜まりやすく雑菌が繁殖して臭いが発生するなど清潔な状態を維持できないことがあります。

不潔な状態を放置していると包皮炎や亀頭炎になったり、陰茎癌を引き起こす可能性があるので注意しなければなりません。性行為の際に女性の膣内に恥垢が付着すると子宮膜炎や子宮癌の原因となるので、普段から清潔な状態を維持するよう心がける必要があります。包皮が余っていると性行為の際にコンドームがだぶついたり脱落することがあり、膣内で包皮が滑ると女性の感度を弱めてしまいます。

さらに包皮が陰毛を巻き込んで傷になるなどの不都合が生じる可能性があるので、早めに手術をした方がよいでしょう。友人などと温泉に出かけるような場合にも、包茎のままでは恥ずかしい思いをしてしまうことがあります。仮性包茎は基本的に問題ありませんが、将来に発生するかもしれない様々な不都合を避けるために子どものうちに手術を受けるのも合理的な方法です。

まとめ

子どもは仮性包茎の状態が普通なので過度に心配する必要はなく、基本的に手術を受けなくても問題はありません。包皮炎を発症しても抗菌薬を使えば短期間で治すことができますが、何度も繰り返し発症するような場合には手術を受けるとよいでしょう。子どもの仮性包茎は放置しても医学的に大きな問題はないものの、将来の不都合を回避するために両親が手術を受けさせるケースも増えています。

大人になっても亀頭が露出しない状態だと、恥垢が溜まって包皮や亀頭が腫れたり性行為に支障をきたすことがあります。子どものうちに包茎手術を受けて亀頭を露出させておけば、成長してからも様々な問題を回避できるので安心です。